軽SUVを選ぶならどっち!?ハスラーVSタフト
今回比較の2種はこちら
今回はどちらもベースグレードの二駆で比較していきます。
ハスラー HYBRID G
軽自動車初のSUVとワゴンのクロスオーバーとしてデビューしたスズキのハスラーは、今ではすっかり人気車種の仲間入りをしました。
当時の軽自動車のSUVはジムニーに代表される、オフロード性能は非常に高いものの、3ドアで後部座席が狭く使い勝手の面で苦労することが多いものばかりでした。
それに対してハスラーはSUVとしての走行性能を一定は担保しつつ、後部座席をワゴン車のように広くし、使い勝手を大幅に拡張しました。また、四角いボディに丸目のデザインも好評で、今までにない軽自動車としてハスラーは人気を博すようになります。
タフト X
ハスラーが開拓したクロスオーバー軽自動車という市場に次に参入したのがダイハツのタフトです。
高い走行性能と使い勝手の良さという特徴はそのままに、ガラスルーフなど独自の装備を持っています。
デザインも丸目のハスラーに対してこちらは四角のヘッドライトで、ハスラーとの差別化をされています。
今までは走行性能と使い勝手がどちらも良い軽自動車が欲しい時はハスラーしかなかったですが、タフトが生まれたことで選択肢が生まれ、クロスオーバー軽自動車というジャンルが生まれるまでになりました。
ただそれによって、どちらを買えばいいの?と悩む方が出てきたのも事実。どちらも良い車ですが、それぞれの違いもありますので、それを見ていきましょう。
基本仕様はこちら!
重量
ハスラー810kg、タフト830kgと、タフトの方が少し重めになっています。
排気量
排気量はどちらも660ccとなっています。
ただこの2車種はどちらもベースグレードからターボ車の設定があります。
他の車種はほとんどがターボ車にしようとすると、最上級グレードまで上げないと設定がないため、この点も軽SUVの特徴です。
軽の660だとパワーが…と感じてターボをご希望される方には軽SUVがおすすめです。
燃費
ハスラーが25.0km/l、タフトが21.4km/lとなっています。
燃費に関しては明確にハスラーの方が良い数値となっています。
要因はハスラーに全グレード標準装備になっているマイルドハイブリッドシステムです。
発進時などのガソリン消費の大きいタイミングを電気の力でアシストすることによって燃費を向上させています。
今人気の軽SUV、魅力はどこにあるの?
ハスラーとタフト、どちらに関しても言えることは走行性能の高さです。
ほとんどの軽自動車は標準のタイヤサイズが14インチのところ、この2車種はどちらも15インチ、しかもかなり特殊な15インチです。それに合わせて車高や座面も高くなるため、雪道や悪路に強くなり、運転もしやすくなります。
走行性能の高さだけで言えばジムニーなどの純SUVの方が良いのですが、そういった車種は3ドアであったり、どうしても室内が狭くなり、3人以上の乗車や大きな荷物を積むことが苦手でした。
その点、ハスラーやタフトはワゴン車のような広い後部座席スペースを持っているため、幅広い層が使いやすくなりました。
このバランスの良さ、総合力の高さが軽SUVの魅力です。
冬のことを考えて雪道に強い車がいいけど、後ろにチャイルドシートを乗せたり、荷物を積む機会が多い、という方には軽SUVはピッタリでしょう。
普段使いからアウトドアまで!ハスラーとタフトどっちを選ぶ?
軽SUVの魅力を感じていただいても、ほとんどの方は乗れる車は1台。ハスラーとタフト、どっちにしようか、非常に悩ましいです。
いくつかの論点で、この2車種を比較していきましょう。
運転席の視界の広さ
フロントガラスの大きさは両車種ともにほぼ同じです。
視界の広さはほぼ同じと考えていただき支障ないと思います。
ただ前提として、この2車種はどちらも他の軽自動車よりもヒップポイント(座る高さ)が高く設定されているため、上から見下ろすような感覚で視界は広く感じるはずです。
運転のしやすさ
最小回転半径がハスラーが4.6m、タフトが4.8mなのでハスラーの方が小回りは良いです。
悪路の走行性能の高さに関してはここまで何度も触れている通りですが、4WDにした場合は、どちらもスノーモードやグリップコントロール機能など、走破性を上げる装備がさらに追加されます。
4WDが必要な地域にお住まいの方には非常に選ぶメリットの大きい点です。
荷室の広さやシートアレンジの種類
続いて後部座席に関してです。
まず、タフトは後部座席のシートがほとんど動かないため、シートアレンジが非常に苦手です。
ハスラーはリヤシートのリクライニングはもちろん、シートスライドも可能のため、アレンジの幅が広いです。
さらに、荷物を積むためにリヤシートを前に倒した際、ハスラーはきれいに平らでフラットな状態になりますが、タフトのリヤシートを倒すと、少し段差ができてしまいます。
以上のことから、この点に関してはハスラーの方が大きく優れていると言えるでしょう。
タフトとハスラーの最も大きな違いはここと言えるかもしれません。
後部座席の車内空間・居住性は
こちらに関してもリヤシートを動かせないタフトは劣勢です。
例えば後ろに座っている方が眠くなったからシートを倒して、というようなことが難しいです。
チャイルドシートを固定しやすいようにシートを調整して、なども同様です。
室内空間はほぼ同じですが、居住性の面ではハスラーの方が良いでしょう。
安全装備・運転支援機能
どちらも予防安全装置は標準装備です。
いわゆる自動ブレーキです。
この自動ブレーキに関しては各社とてもレベルが高くなりました。
フロントに付いているカメラも普通車に負けないくらい高性能ですし、バックしているときに接触しそうになったらリヤセンサーが警告してくれるのでバックカメラが無くても良いくらいです。
運転支援機能で言えば、ハスラーにはメーカーオプションでクルーズコントロール機能が選べるようになりました。
高速道路などを走行中にカメラで前の車との距離を測定し、一定の距離を保って加速、減速をしてくれる機能です。
これが2万円程度の追加で付けることができるので、高速道路の使用が多い方におすすめです。
ハスラーとタフトそれぞれの強みと惜しい点は?
ここからはそれぞれの車種に絞って各々の強み、弱みに関して見ていきます。
ハスラー
ハスラーに関しては前述した総合力の高さ、この点が最も大きな強みです。
走行性能も高い、冬道にも強い、後部座席の居住性も良い。
装備も充実してます。
カギを差さなくても良いプッシュスタート、フルオートエアコン、ハイブリッド機能に予防安全装着スズキセーフティサポート、こういった、他の軽自動車では上位グレードでないと付いてこないような装備もハスラーなら全てベースグレードから標準装備になっています。
その分価格は少し高めですが、付いてくる装備のことを考えると十分許容範囲と言えるでしょう。
敢えて弱みを探すとすればデザイン面でしょうか。
デザインが良いから、とハスラーを選ぶお客様も多いですが、丸いヘッドライトやビビットなカラーなど、決して万人受けするデザインというわけではありません。
また、デビューから年数が経っているため、かなり多くの人が乗っているという点もあります。
性能が良いのは分かるけど「みんな乗ってるから別の車にしたい」という声もお客様からは聞こえてきますので、そういった声の受け皿としてタフトが人気になっている側面もあると思います。
タフト
タフトはそもそもダイハツがハスラーにぶつけて出してきた車です。
言わば後出しジャンケン。
ハスラーで述べたような装備の良さはタフトも同様です。
ハイブリッドこそ搭載はできませんでしたが、そこを他の装備でカバーしています。
代表的なものがCMでも目立っているガラスルーフです。
天井にはシェードが付いており、それを引くと天井の約半分がガラスルーフになっています。
晴れた日に感じるこの開放感は他の車ではなかなか真似できません。アウトドアでの使用が多い方にはおすすめしたいです。
また、ハスラーにはまだ搭載されていない電動サイドブレーキも標準装備。
ボタンを押せばサイドブレーキがかかる最新機能です。
このボタンの箇所に小物を置けるスペースがあるのですが、ここにディーラーオプションでワイヤレス充電器を設置できます。
そうすると、ポンと置いたスマホを運転中に自動で充電、とできるのが個人的にはとても使い勝手が良いです。
こうした最新装備があるのがタフトの強みです。
ただやはり前述のように後部座席の使い勝手はハスラーの方が良い、というのがどうしても惜しいポイントとして挙げられます。そして運転席に関してもベンチシートでないため、ハスラーと比べると窮屈に感じることもあります。
こういった面は構造上仕方ない面もありますが、せめてもう少し良くできていれば、と思わずにはいられません。
最後に、ベースグレードでは選べない色があるのも減点ポイントです。
黒なども上位グレードにしないと選べないのは何とかならなかったのか。
まとめ
ここまでお読みいただいた皆様ならお分かりいただけたかもしれませんが、現状ではハスラーの方がよく出来ている、という結論でいいのではないでしょうか。
ただそれはタフトがダメ、ということではなく、ハスラーがそれだけよく出来ている、ということです。
非常に人気で売れている車ですが、売れているだけのことはあります。
筆者は正直、スライドドアが必要ないのであれば、みんなハスラー買っておけば間違いないよ、とすら思っています。
現在普通車ではSUVが大人気で、それは軽自動車にも波及しています。
人気上昇中の軽SUVはハスラー、タフトを中心にさらに盛り上がっていくことが予想されます。
その中で別のメーカーが参入してくることもあれば、タフトが弱みを改善してくることもあると思います。
ここに記載したこともどんどん変化があるでしょう。
ここに書いてある通りハスラーにしよう、となればそれはそれで嬉しいですが、ぜひ最新事情をご説明させていただきますので、ポケットカーズにお越しいただければと思います。
ご来店をお待ちしております。
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